WILDSWANSのフルグレインブライドルレザーの財布
みなさんはどんな財布を使っていますか?
男性の方は、財布にこだわりを持っている方も多いかと思います。
というのも、財布は人から見られるからです。特に女性と食事に行った時は、必ずと言っていいほどチェックされているものです。
あからさまには見せないですが、男性に気づかれないようにさり気なく見ています。
以前、先輩から「女性と食事に行ったら、財布と時計は必ず見られるから」と言われたことがあります。実際、女性から話を振られたことがあります。その時は、本当に見ているものなんだなぁ、と少し驚いたのを覚えています。
時計や財布は、男性の財力をはかるバロメーターということなのでしょう。
そのようなこともあり、良い財布を持とうと思い、数年前に財布を買い換えました。
私が今使っている財布がこれです!!
WILDSWANS(ワイルドスワンズ)というブランドのフルグレインブライドルレザーを使用したWAVEというモデルの財布です。
WILDSWANS
まずWILDSWANSというブランドについて説明します。
WILDSWANSは、十年後、二十年も使い続けられるような物作りをコンセプトに1998年にスタートした日本の革工房です。その品質の高さから、レザーマニアからも高い評価を受けています。
銀座と京都にそれぞれ直営店があり、実際に店頭にて製品を見て触れることができます。また、大手デパートやセレクトショップなどでも取り扱いがあります。
このブランドの特徴としては、大きく分けて以下の点があげられます。
- 選び抜かれた質の高いレザー
- 丁寧に処理された美しいコバ
- 均一に施された綺麗なステッチ
レザー
まずはレザーについてです。
WAILDSWANSでは、世界中のタンナーから質の高いレザーを仕入れています。特に、オイルを多量に含んだ堅牢かつエイジングの楽しめるレザーが充実しています。
なかでもベルギーのタンナーであるマシュア社のサドルプルアップレザーは定番のレザーであり、そのエイジングの見事さと堅牢性から、多くの製品に用いられています。
その他、アメリカにある有名なホーウィン社のシェルコードバンやイタリアのバダラッシー・カルロ社のミネルバボックスなど、非常に質の高い革を採用しています。
また各直営店の開店記念日に合わせて、特別なレザーを使った限定商品が発売されます。レギュラーラインナップにはないカバ革やアザラシ革、ヌバックリザードといった大変貴重で珍しい革が採用され、少量のみ製作されています。
詳しくは下記HPにて各種革の説明をご覧ください
https://www.wildswans.jp/maintenance/
コバ
続いて、コバの処置についてです。
コバとは、革の切れ端のことをいいます。
↑未処置のコバ
[出典:WILDSWANSのBLOG]
このコバ処理が革製品の品質を見極めるうえでの大きなポイントとなります。
製品によっては、「切り目仕立て」といって、切りっぱなしの断面をそのまま活かすこともあるのですが、断面をそのままにしておくと黒ずんだり、線維がほつれてしまったりと、革を痛め美観を損なうことになります。そのため、コバを保護し、なおかつ美しく仕上げる加工が施されます。
[出典:WILDSWANSのHP]
WILDSWANSの製品はこのコバの処置が素晴らしく、とても丁寧かつ丈夫に仕上げてあります。
かく言う私の財布は、購入から3年と少ししか経っていませんが、傷はあるものの、コバの劣化によるひび割れなどは一度も起こっていませんし、美しい状態を保っています。
ステッチ
最後に、ステッチについてです。
WAILDSWANSはコバの仕上げだけでなく、縫製技術にも定評があります。
↑綺麗に並んだステッチ
[出典:WILDSWANSのHP]
均一に並ぶ見事なまでの縫製技術、そして美しいステッチは、見ていて惚れ惚れする程です。
職人さんの技術力の高さはもちろん、その秘訣は足踏みミシンを使用しているところにあるようです。
通常、多くの革製品は電動ミシンを使って縫製されています。
というのも、電動ミシンのほうが昔ながらの足踏みミシンよりも効率的で生産性が高いからです。
足踏みミシン
[出典:楽天市場]
それにもかかわらず足踏みミシンを使用しているのは、足踏みミシンの方が縫製のスピードや細かな強弱を調整し、より職人の感覚を反映させることができるからのようです。それによって、丈夫で長持ちする製品が出来上がるというわけです。
フルグレインブライドルレザー
続いて、フルグレインブライドルレザーについて説明したいと思います。
フルグレインブライドルレザーは、イギリスのタンナーであるベイカー社が、銀面と呼ばれる皮の表面を削らず、伝統的な手法であるオークバーク(オークの樹皮)から抽出したタンニンを使用して鞣した皮革です。
ロンドンカラー
ダークステイン
[出典:WILDSWANSのBLOG]
どういうこと?と思われたかもしれませんが、以下にきちんと説明していきますのでご安心を(笑)
ブライドルレザー
まず、ブライドルレザーについてです。
ブライドルレザーは、もともとは馬のクツワや手綱などの馬具として用いられていました。現代のように財布などの革製品の素材として一般的に用いられるようになったのはここ数十年のことです。
ブライドルレザーは、革に蜜ロウやオイルを混ぜたワックスを何度も塗りつけることで繊維を引き締め、耐久性を高めています。
ロウを内部に染み込ませているため水分が革に浸透しにくく、耐水性にも優れています。
初めは革の表面に「ブルーム」と呼ばれる白い粉のようなロウ成分が浮き出ていますが、使い込んでいくうちに消えていきます。しかし、気温などによってはロウが固まってブルームとして再び浮き出ることもあります。
↑表面の粉みたいなのがブルーム
[出典:WILDSWANSのBLOG]
フルグレイン
次にフルグレインについてです。
フルグレインとは、すなわち銀面と呼ばれる皮の表面の部分を使用していることを意味します。
通常、ブライドルレザーでは、最も強度が高い銀面(=皮の表面=グレイン)を削ったものが使用されます。というのも、銀面が削ってある方がワックスが短期間で浸透するためです。
しかし、ベイカー社は、秘伝のレシピによって銀面を削らずに、じっくりと時間をかけて皮革内部に十分な量のワックスを浸透させることができるのです。
これによって耐久性、耐水性に優れた堅牢なブライドルレザーが生まれるのです。
また、銀面をそのまま使用しているため、表皮についたシミや血筋などが残っており、その荒々しくも個性的な表情を楽しむことができます。
↑購入当初から、黒い染みがあった
オークバーク
最後に、オークバークについてです。
[出典:WILDSWANSのBLOG]
オークとは、「楢(なら)」という落葉樹を指します。
堅く耐久性に優れているが、加工がしやすく、古くから欧米では建築や家具、ウイスキーやワインの樽などに用いられています。
オークと聞くと「樫(かし)」を思い浮かべる人が多いかと思いますが、これは「オーク」を明治の翻訳家が樫と誤訳してしまい、それが広まっているようです。
バークは「樹皮」という意味です。
つまり、オークバークとは、オーク(楢)の樹皮を使って鞣した革のことを指します。
以前はオークバークを製造するタンナーが英国に多く存在しましたが、製造に1年以上の時間と多くのコストがかかるため、次々と数を減らしていきました。
現在では、英国の伝統製法を守る唯一のタンナーがベイカー社となっています。
(ちなみに、革靴好きの人はご存知かもしれませんが、英国ではありませんが、レンデンバッハというドイツのタンナーもオークバークを製作しています。)
そんな手間ひまかけて作られたオークバークは、非常に堅く耐久性に優れているという特徴があります。
私が購入した理由
ここまでWILDSWANSというブランドやレザーについて説明してきましたが、それではなぜ私がこの財布を購入したか話したいと思います。
その理由は以下の点になります。
- フルグレインブライドルレザーという革の希少性
- 色見が渋くて最高にカッコイイ
- 財布自体の丸みを帯びたデザインが特徴的で可愛かった
私の調べでは、 フルグレインブライドルレザーを使って財布を製作しているのはWILDSWANSだけです。
オークバークを用いて財布などの革小物を製作しているブランドはWILDSWANS以外にもあります。ココマイスターというブランドにオークバークを使用した革製品があります。しかしながら、「フルグレイン」となると、WILDSWANS以外に使用しているブランドは見当たりません。
またWILDSWANSにおいても、常に在庫があるわけではないので、タイミングを逃すといつ手に入るか分からない、という可能性があります。
他の人と被りたくない私にとって、この希少性はとても魅力的に感じました。もちろん、革自体の質の良さ、オークバークという伝統的な手法の背景にある歴史なども私のツボでした。
ちなみに、カラー展開としては、「ロンドンカラー」「ダークステイン」「ブラック」の3色になります。
その中でも・・・
ダークステインが渋さMAXでカッコ良すぎる!!
もう、一目見てこのカラーだと確信しました。
そして最後に、WILDSWANSの製品に特徴的な曲線的なデザインが可愛かったからです。革自体は堅牢で色ムラがあり非常に荒々しく武骨なのに、特徴ある曲線的なデザインによって硬くなりすぎない印象となるのがいいですね。
以上が私がフルグレインブライドルレザーの財布を選んだ理由です。
では3年とちょっとこの財布を使用した実際の感想を書きたいと思います。
良かった点
まずはやはり、耐久性にすぐれているという点です。
何度か落としたり、ひっかいてしまったため傷はあるものの、未だにくたびれた感じが一切しません。
階段から落としてしまったこともあるのですが、傷はついたものの、変にへこんだりとかはありませんでした。
また糸のほつれは全くありませんし、コバのひび割れもありません。びっくりするくらい頑丈で、本当に十年、二十年は使えるのだなと感じました。
エイジングも素晴らしいです。使っていくたびに色が深まっていき、光沢も増して、最高に渋くカッコイイです!!!
加えて、傷の跡もそれが味となって、より一層カッコよさをひきたてています。
眺めていて本当に惚れ惚れしてしまいます。
またアンティーク感というか、高級感がハンパないので、「いい財布使ってるね」とよく言われます。
↑エイジングで色の深みが増している
↑写りが悪いが、渋みがカッコイイ
↑傷がまた味となっている
↑傷はあるものの、未だ美しいコバ
そして誰とも被ることがないのも良いですね。
私の周りだけかもしれませんが、まず同じ財布を使っている人を見かけません。
私としては、これは結構ポイントです。
悪かった点
まずその厚さと重さです。丈夫なのはいいのですが、厚さがあるため、基本的にはカバンに入れて持ち歩く必要があります。デニムなどの尻ポケットに入るには入りますが、ポケットがパンパンになりますし、重さもあるため、歩いているうちに落としてしまうのではないかという気になります。
また、スーツの内ポケットに入れるのは、かさ張りますし、型崩れすること間違いないので、絶対に止めたほうがいいです。
匂いも気になる点の一つです。
平気な人は特に気にならないかもしれませんが、かなり独特な匂いがします。
革の匂いだけでなく、ワックスか何かの匂いが強く、クサいと感じる人も少なからずいるかとおもいます。
長く使っていくうちに薄れては来ますが、季節によっては匂いが強くなったりするので、注意が必要です。
まとめ
色々と書きましたが、私としては、このフルグレインブライドルレザーの財布にとても満足しています。
基本的に出かける際はカバンを持って出るタイプなので、厚さや重さもさして気になりませんしね。
革の質もたいへん素晴らしいです。
革の密度が高いからか、握るとギシギシと音を立てるのも良いですね。
革!!って感じがします。
そして、何より最高に渋くてカッコイイ!!
なので、革にこだわりを持っている人や、カバンに財布を入れて持ち歩く人、スーツを着用しないような仕事の人にはオススメの財布です。
また、一生物の財布を探しているという人には特にオススメします。
お値段が75,000円+税と高額ではありますが、それに見合うだけの価値は十分ありますし、本当に素晴らしい財布なので、興味持たれた方は是非とも手にとってみてください。
フルグレインブライドル | WILDSWANS(ワイルドスワンズ)オフィシャルオンラインショップ